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福岡・九州地域演劇祭
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2008年 08月 28日
演劇の創作に携わっている人は、みんな十分にわかっていることだと思うのだけど、ちょっと整理してみたくなったので整理してみます。
演出のやるべき仕事の範囲は非常に多岐にわたるのだけど、それを主に以下の4つに分類するとする。 1 脚本(解釈とか、どのように表現するかとか) 2 役者(演技指導したり、交通整理したり、引き出したり) 3 テクニカル(装置・照明・音響・衣装・小道具、その他・・・) 4 集団運営(演出家がリーダーシップを発揮する) で、これをお城に例えるとする。 この場合、演出家はひとりで城の四方面を守っているようなものだと例えるとしてみよう。 お城を守るのだから、4つの門のうちひとつでも手当が出来てないとアウトだ。城は破られる。 で、たとえば演出家がある芝居を見て、かなり的確な事を言っていたとしても、それは、4つの門のうちの一つであって、他の門についてはあまり関心がない。ということも十分にあり得るかも知れない。 たとえば、役者門に興味があって、その分野についてはとても素晴らしいが、他の門には注意を払えてなくて、結果的に出てきた芝居はちっとも面白くない。みたいなこともあるかもしれない。 規模の小さい芝居ならば、一人で四方面を守ることが出来るかも知れない。しかし芝居の規模が大きくなるとちょっと無理だ。 この時に、やはり信頼出来るメンバーやスタッフがいることが大切だ。 で、例えば、東門については、Aさんにまかせて、たまにチラッと巡回する。ということでも良いかも知れない。 自分のことをよくわかっている演出家は、どの方面をどの位の力がある人に任せないといけないかということがよくわかっている。 たまに、4つの門のうちの1つがまるで手当てされてない芝居を見ることがあるが、これはやはり演出家の責任だろうと思う。 演出家が、自分の興味のある門にばかり集中してしまって、他の門はどんどん破られているみたいな。 しかし、すべて演出家に責任を持たせるのも酷かもしれない。 演出家の得意分野や苦手分野、興味のある分野や無い分野というのを見きった上で、この演出家を起用するときは、この部署にこれくらいの力のあるスタッフが必要だ。みたいな組み合わせを考えるプロデューサーと呼ばれる人がいると良いかも知れない。 といっても、現実的に地域の劇団の大半は、演出家がスタッフ決定の権限も実質的に持っているだろうし、地域の劇団の場合は、やっぱ演出家が責任者になるケースが多いかな。 自分の得意分野苦手分野、興味のある分野無い分野というのを、客観的に理解したうえで、空っぽになった門をつくらないということが大切なのかも知れない。 運のいい劇団というか、いわゆる成功する劇団は、そこを考えて4つの門を守れていると言うより、たまたま集まったメンバーが良くて、偶然良い感じで4つの門が手当てされているということだろうと思う。
by sailitium
| 2008-08-28 12:34
| 演出WS・セミナー・演出のこと
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