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福岡・九州地域演劇祭
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2007年 11月 28日
未整理な部分が残るけど、下記にアップします。
---- これは、すばらしい作品。個人的に芝居の方向性も大好きだし、動員をグイグイのばすような方向性でもある。エンターテイメント性があり、斬新で、テーマ性も十分。 75分間ひきつけられた。 脚本・演技・演出・スタッフワークとも、体当たり、野太いかんじで、全開感みながる、テンポ良く、パワフル。小劇場演劇の真骨頂とでもいうべき作品。 俳優さんの体はすごく良く動く、オーバーリアクションというか、ある種のダンス的な動きの演技。セリフは唄いまくり。声もはりまくりで、ノリのいい演技。 様式美の域。 全体的な構成は、トップアイドルを目指す新人アイドルが、アイドル殺しを売りにするような番組で、難関を突破していく。というストーリーをメインにおく。 新人アイドルと、その男性マネージャー、番組プロデューサーと、放送作家。マネージャー以外は女性。 マネージャーとプロデューサーの過去、プロデューサーと作家の過去、アイドルの過去、マネジャーの過去。に触れるストーリー。 その暴露は事実事項だけみると、べたべたで陳腐なカンジであるが、演劇の方向性の剛速球ぶりでねじ伏せ、その情報を受け入れることに抗うことが出来ない。(あわない人もいると思うけど) ロック・大音量・円舞台・傾斜・役者の動き・鎖がま・傷・ゴキブリもなか、腹を割かれる、ちゅーするシーン、ラストシーンの不可解。 全体的には、ロック調の重厚な軽妙さとでもいうべき展開。 鎖がま、すごいバランスで一気に表現を別次元にトリップさせることに成功した。すごい発見だと思う。演出として役者の身体性の要請からでてきたアイディアが、ニトロ級の爆発力に至った。 --- 性犯罪の重いテーマを一部モチーフにしている。 しかしおまけ的に重いテーマを扱ったわけでも、門構えだけは重いテーマで中の掘り下げは浅いとか、形式としての重いテーマの導入とかでもなく、普遍性・共感性をもちにくい自己満足的な扱いでもない。 つかってる題材は重いが、それに取り組むだけの分析を伴っていない作品、一人称の独り言で、一部の共感者は得られるもののある種の普遍性を持ち得ないそれでもない。 本物と思う。 芝居のテーマ的なところとモチーフがシンプルにがっちりと組み合わさり、ストーリーの根幹をなし、ある程度の思索(または洞察力のある直感)に裏打ちされたテーマといえるだけのレベルの深みをもたせている。 虐待を受け、傷だらけの人物が、相当にデフォルメされた形とはいえ、野太く自分を愛し、まっすぐに夢に向かう姿があっていい。と、ある種の理想を描く。逆説的に見ていくと、だからこそあそこまでのジャイアン的な自己愛人物がうまれたとも見ていけるが、これは作者の世界を掘り下げすぎの見方か。 この劇団は重いテーマを軽くあつかう。ということであったが、<表面上のデフォルメ演出や、役者が重いテーマをそこまで咀嚼、体現せずにデフォルメ演技で乗り切る。>という点ではそうも言えようが、脚本上の深みのあるテーマ、表現の方向性と結びついて観客に届ける手段の完成度という点で、決して軽い扱いではない。 (軽く扱うというと、どうも取って付けたようなテーマの扱いを想定してしまう。) 作家がどこまで、言語で分析しているかは不明だが、分析とは無縁だとしても、作者の直感的なイメージが、ある種の普遍性に届いていたといえる。 --- アフタートークでは、出演者の一人が、その部分に触れず「軽く扱う」ということだけ、連呼していて、これは違和感を持った。作者からは特段の反論はなかったので、言語化できてないのかも知れない。あるいは「軽く扱う」という言葉の定義が、高崎とは違うのかも知れない。(言語化できているかどうかは表現者の成果を上下するものではない。) このカンパニーの挑戦は、苦しんだことがないという作家の、自己存在不安、どこまでリアルに自分の生命を感じられるのかということとイコールであるような予感がした。鼻血も、その可能性がちょっとある。 ---- スタッフワークでは、特に音に着目した。すばらしい。クオリティが高く、選曲ボリュームきっかけ共に小気味よく、通常演劇では表現しにくい「絵」を再現することもあり*、さらには世界観を構成するにいたっていた。 *(クイズで誤答すると、坂が急になり、最後には滑り落ちるという設定で、坂が急になっていく様を、役者演技を中心とした演出と、音で本当に再現していた。再現するというか、観客の脳内にリアルなイメージを映写していた。) -- ラストシーンは、あきなさん**の面接。暗い、不可解さを残すシーンで終わる。というかそういうシーンに見えたと言うだけで、違うことをやっていたのかも。どういう事実表現だったのかわかりにくかった。 おそらく意図的に最後をもやっとしたカンジにしたのだろうけど、これは疑問。 それまで明快で、意味的な分析にもはっきりと回答できるこの舞台の魅力を減じてしまった印象。 悪く言うと、中途半端に幻惑して、不可解さを残し、意味付けしようと言う「<高尚>への隷属」を感じてしまった。これはちょっと悪意的にすぎる見方かも知れない。でも、観劇後ちょっとだけ残った違和感を分析すると、そうなってしまったのだ・・ **名前うろ覚え 重めのテーマを、意味的には表面的になところにとどまらず、深く、掘り下げていながらも、表層上の演技演出で強く浅くぶっとばすという痛快な舞台でした。今年のベスト5入りは確定。
by sailitium
| 2007-11-28 12:37
| 観劇して|感想・批評
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