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福岡・九州地域演劇祭
プロフィール たかさきの簡単プロフィールです。 PINstage たかさきの舞台芸術関係の活動の屋号です。 FPAP 福岡の演劇等舞台芸術を支援するNPO法人です。最近のメインはほとんどココです。 九州地域演劇協議会 九州内の6つの地域演劇支援団体により設立。 FPAP職員の日々之精進 FPAP常勤職員がおくる赤裸々日報。 制作者は語る(fringe) 全国の制作者による注目のブログです。 昨日 今日 トータル にほんブログ村 スパム対策でトラックバックには、送信元記事にこのブログへのリンクが必要になっています。どうかご了承ください 最新のコメント
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2025年 07月 10日
の続き シーン2 スーパーの控室 (←かってに名付けています) スーパーの控室は「その地域」に存在するからなのか、独特の諦め感や停滞感みたいなものはある。都会じゃない「その地域」だからこそ、大学進学があまりなじみのないものだったり、将来の目標を持ちにくいという状況が提示される。 そういう環境だからこそ発生しやすい人間関係の不和がこのシーンの中心的なプロットだった。ひどい言葉を投げかけるようなシーンもあった。 シーン3 婚約して同居する二人のリビング このシーンでも、テーマは変わらない。「その地域」出身の男は、今では東京に出てきているようだが、婚約者に実家のことをほとんど話していない。 男が実家とどういう関係であるのか、観客にも女にも詳らかにされないが、男の母や弟は醜悪な人物であるように観客に感じさせる。男は弟との電話の後や、母からの手紙を見て、恨みのこもった悪態をつく。「その地域」から出たとしても、その影響がつきまとってくる状況が描かれていた。 世の中には、地域間の格差という構造があって、都会が非都会からいろんなものを搾取しているということなのだが、それは社会に対する作用としては地域差別に類似した機能をもつ。 この作品では、その構造の不合理さそのものには踏み込まないが、そのような現実の中で、生きづらさとともに生きている人々の様が描かれている。 非都会の地域は、近くに大学がなかったりして、周囲の意識が、大学は特別な人が行くものみたいなかんじだったりして、結果、子供も、忍耐を要する勉強をそこまで頑張らないみたいなことでの学歴格差は生まれるだろう。また、世帯の平均年収も都会のほうが高いことが推測されるので、貧困による進学問題も発生しやすいかもしれない。 (間違いなくあるのは、文化・芸術の体験環境の格差だ。これは、都会と非都会にどうにもならん格差がある。だからこそ、地域で活動する劇団は、全部表彰されるべきだと思うね。) ちなみに、福岡市内であっても、被差別部落というのは少なからずあって、不合理なハンディを背負わされた。福岡市内なら学歴的な環境ハンディはないかもしれない。文化格差については、非都会より環境は有利だろう。が、地域格差にはないハンディもあるだろう(あえて書かんけど) シーン4は、団地のドアの前で女が一人のシーンに戻る。もしかしたら、その女はこれまで、シーン2,3のようなことを体験したのかもしれない。そんな想像の余白ももたせつつ、女は少し前向きな気持ちになって、自分が住んでいる場所に帰っていくというところで、この芝居は終わる。 全体としてみれば、そういう不合理な社会構造があって、それに苦しむ人はいるし、私も似たような経験はしたかもしれないけど、でも、前を向いて生きてけると思う。という話だったと思う。 そして、これはじっくりと受け止められるべき見ごたえのある作品だった。 福岡という地域は、九州の各地域からいろんな人が転入してくるという土地***だから、この作品によって励まされる人もいるに違いないと思う*。社会派**は言いすぎだけど、社会性の高い作品であるし、包摂性をもつ作品だと言っていい。 (*逆に、ずっと福岡で過ごしてきた人は、ピンと来にくいだろうね。) (**イデオロギー主張が感じられたら社会派ってかんじ) (***ちなみに、出生率は国内トップレベルに低くて、少子化ブラックホール福岡ってかんじになっている。地域の人材を引き抜きまくってるとも言える。人間生まれてきて18歳くらいまでただ税金を使う存在なので、18歳になって、税金を納める立場になったら福岡市に引き抜かれるっていうんじゃあたまらないよね。ちなみに東京はもっと悪質で巨大なブラックホール。) でも、全体としては、むっすーと超重い感じではない。ポップでライトな感じないことは言うまでもないが、見終わった後には一種の清涼感がある。 福岡だと、ホールブラザーズだと、コミカル・シニカル狙いで、ときに、デフォルメな表現が入ってきて、そこは私の好みではないけど、この作品は、そういう社会的な現実とフラットに向き合っているように思えた。 (っていうか、思える域に至ったということだろうけども) (これも、作者のやりたいこと次第だけど、たとえばシーン4で、女の自○を感じさせるようなアンハッピーエンドな終わり方だったとしても、作品全体としてはで矛盾すること無く成立する。まぁ、そんな話見たくないけどね。) 社会的に訴えかける力を持った演劇的な作品成果があったのは間違いないと思う。 役者の演技にも触れる。 脚本上、精神的や身体的に高度なことは求められていない。脚本は、ちゃんと人間が書かれていて正解の演技方針というものがあるかんじ。それをはみ出すと、脚本の世界観が壊れちゃうタイプのそれで、基本的には、みなさん脚本に求められるところはクリアしていて、この作品を世界観を成立させていたと思う。 しかし、表層的な演技で終わっていたように見える方と、脚本上に存在するキャラクターを身体になじませている方とはいるように見えた(単に、相性の問題かもしれない)。 その点、シーン3の婚約している女性の方は、脚本の役を身体に落とし込めている演技に見え、良かったと思った。 ちなみに、この作品を見に行く前に私が持っていた情報として、 チラシかなんかで、245は昔住んでた団地の部屋番号。という情報を得ていた。で、オムニバスとチラシに記載があったので、正直、お手軽な感じで、じっくりと見れるようなものではないだろうとあまり期待してなかった(15分とか30分とかの短編では、なかなか深いところまではたどりつけない。) シーン1の最初の話は、人生でちょっと疲れた女性がひとりごちるみたいな感じで、ストーリー上の工夫などは感じにくいものだったから、これは感傷的で自己満足的な作品になるだろうなと思った。 始まって5分くらいの予測は、いい意味で外れた。どっしりというと言い過ぎだけど、じっくりと受け止められる作品だった。 (始まって5分くらいで、どれくらいのクオリティと器を備えた作品かは推測がつく。15%くらいは外れる。) 以下、細かい話だけども ・細かい話になるけど、スーパーとリビングは、もうちょっと装置的に変化付けて欲しかった。あの紙袋そのままおいてるのは気になった。 ・ドア、せっかく作っているのに、あの養生テープはもったいない。あれだと、2,3日前に人が来て貼った感じになってしまう。少なくとも1,2ヶ月以上は空き部屋であってほしい。 ・あれやるなら、スーパーの環境音は、ずっと低く流しておいて、出入りするときだけちょっとレベル操作したほうが良かったよね。そっちのほうがオペの難易度もさがる。 ・あれは、いい机だったなぁ。いすをちゃんと用意してたの良かった。劇場にある備え付けのイスを安易に使っちゃわれたりすると手を抜いている感じが露骨にする。 ・あの男の人は、短くしなくてもいいけど、散髪して、もうちょっと清潔感のある感じのほうが良かったと思う。 ・レジが二人体制のスーパーの規模にしては、雑踏音から推測される客数が多すぎんか、、、 ・カーテンコールをやるなら、そこもなんとかするのが役者(っていうか、演出が見とかないとね)、半分くらいの役者表情は、コントロールされてなかった。 ・多分あの回の観客で私が一番拍手したはず。回数・音量・尺の乗で圧倒的一番だったはず(とは、言え、悪目立ちしない範囲で)。 (参考)
by sailitium
| 2025-07-10 12:30
| 制作的なこと(演劇)
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