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福岡・九州地域演劇祭
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2025年 05月 29日
作品の最終的な完成形が、座組で共有されているといろいろいいことがある。 共有されているとは、どういうことを言うか? 一番いいのは、再演でキャストもスタッフも変わらないというやつだ。これは、完成形が最高度に共有されていると言っていい。みんな完成形が正確にイメージできるだろう。 逆に、新作のプロデュース公演で、キャストテクニカルも初顔あわせが多い。みたいなのだと、完成形共有の度合いは低い。劇団の旗揚げ公演も、それに近い。 実際のところは、この中間のところが多い。 新作であっても脚本と演出家の組み合わせで、だいたいこういう作品になるだろうということは、ある程度、想像がつくこともある。 脚本ができているかどうかということも要素になる。 (以前、とあるプロデューサーが、プロデューサーに必要なのは脚本が読めることと言ってたのだが、これは脚本を読んで、演出やキャストやスタッフの座組が見えて、それで、完成形まで想像できるという意味なんだと思ったことがある。) ある程度続いている劇団の公演であれば、たとえば脚本ができてなくても、だいたいこんな感じにあるだろうという想像はつく。キャストもテクニカルもだいたいこんなかんじでやっておけば、あれくらいの高さの山には登れるよね。みたいな安心感がある。 ビデオ演出も、完成形を共有できる方法の一つと言える。 プロデュース公演が、時々うまくいかないことがあるのは、完成形が見えにくいということも要素の一つとして小さくない。 完成形が見えないと、この芝居、このまま作っていて、ちゃんと人に見せられるものになるんだろうかという不安もあるし、役者としては、どういう演技をしていればいいのかわからないということもある。 そういうことが続くと、座組のまとまりは不安定なものになる。で、強い人間はいいけど、弱い人間は、そういうときに、不安の矛先をぶつける先を求める。 たいていは、本質とは関係ないし、言ってることは一見筋が通っているようなことだ。 (ケータリングのお茶がまずいとか、役者にパンフのコメントを出させるのはいかがなものかとか、稽古の効率が悪いとか、全員PCRすべきだとか、あとは若い稽古場付きのスタッフをいじめたりとか) この現象は、演劇の座組に限らず起こる現象だ。忙しいところで起きやすい。鈍感な人にはあまりこういうことはないが、鋭敏でいいときはいろんなことに気づいてくれる人がそうなったりする。 なので、作品の完成形が見えない状況でスタートするときは、こういう芝居を作りたいみたいなことが座組メンバーに共有されているとよさそうだ(現実的な範囲でね)。 あとは、やっぱり人ですよね。 ちょっと格が上と言うか、実績のある演出家だと完成形は見えなくても信頼感はあるから、座組は安定しやすい。 また、かかわるスタッフが創作のコアとなる人(たいていは演出)をリスペクトしている雰囲気があるということも大切。 旗揚げ公演とかだと、みんな同格だから、このへんは難しいかもしれない。なんかルールを決めておいたほうがいい。 「作品について思うことは、みんなどんどん言おう。だけど、最終的に演出が決定したら、自分の意見と違っても、その意見を気持ちよく、信じる。3ヶ月後の楽日まで、そうやっていくことをみんなで約束しよう」 みたいなね。 まぁ、なかなか、そこまではやらないだろうけど、やるのとやらないのとでは、えらい違うと思うね。
by sailitium
| 2025-05-29 12:49
| 制作的なこと(演劇)
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