
記事ランキング
検索
リンク
福岡・九州地域演劇祭
プロフィール たかさきの簡単プロフィールです。 PINstage たかさきの舞台芸術関係の活動の屋号です。 FPAP 福岡の演劇等舞台芸術を支援するNPO法人です。最近のメインはほとんどココです。 九州地域演劇協議会 九州内の6つの地域演劇支援団体により設立。 FPAP職員の日々之精進 FPAP常勤職員がおくる赤裸々日報。 制作者は語る(fringe) 全国の制作者による注目のブログです。 昨日 今日 トータル にほんブログ村 スパム対策でトラックバックには、送信元記事にこのブログへのリンクが必要になっています。どうかご了承ください 最新のコメント
最新のトラックバック
カテゴリ
全体 ●コメント前に FKRT 制作的なこと(演劇) 広報・宣伝、具体的な制作のアイディア チケット料金、動員 福岡・九州・地域の状況 観劇して|感想・批評 --------- トークの司会、企画の作り方 作劇のこと・テクニカルのこと 戯曲WS・戯曲のこと #復路のない旅 演出家、演出WS・セミナーのこと 制作者のこと 劇評・批評について 事務的な仕事をする上で 役者/演技のこと 劇場のこと 稽古場について 演劇祭について 芸術文化環境、一極集中、道州制 10年前なにがおこっていたか 釜山・韓国のこと 沖縄のこと ●企画 制作講座・勉強会 福岡・九州地域演劇祭 九州演劇人サミット ブラッシュ 大学演劇部合同公演 TAM 観劇ディスカッション DDシアター リンクP PmP パネルトーク 火曜劇場 東京物語 ステージスタッフWS LRT アゴラインターンシップ 環境の演劇WS ネットセミナー Meets! 2007(札幌福岡) 鐘下さん カラフル 世界劇場会議 一人芝居フェスティバル 指定管理者のこと FPAPのこと かげながら ●その他 Mac、PC、スマホとか 食べる、飲む、外食する ダイエット・運動 本を読んで 小ネタ、近況 さくてきな視点で(非演劇) 商品とか企画のネタ(非演劇) テレビドラマ・映画 #新型コロナ 腰痛 著作権 #南シナ海周遊の旅2024 ライフログ
ブログジャンル
|
2023年 08月 02日
これも先日投稿したように、Twitterのタイムラインをだらだらと見ていて、扇貝で、公演があることを知り、そこからわざわざ検索をかけて、公演情報にたどり着いた。 昨日も書いたけど、せめてCorich舞台芸術には、公演情報を掲載してほしいよ、、、 他に気になる芝居もあったけど、今までみたことがない、こちらを見ることにした。 「遺産相続」 「散る、散る、満ちる」 「七万円」 の3作品 それぞれ20分くらいの小品だけど、ひねりのある脚本で、映像系の演技だけども役者さんもうまい。衣装、照明、装置、音響、小道具といったテクニカルも作品の規模に対して、過不足ない仕事をしていて、違和感のある手落ちみたいなのはなかった。 (焼酎の一升瓶は、ありゃーねーだろうって感じだけど、あれは気づいた人が楽しめるってやつだね。あと、小道具のビールはあれちゃんと小道具用にしてたよね。本物のんでたのかもしれないけど。) 全体としては、けっこう楽しめた。 キャパは30-40席くらいかな。 扇貝を横長舞台で使っているのをよく見るが、縦長に使っていた。 そうなるとアクティングエリアが、平台6枚くらいになるのだけど、そんな動きまわる芝居ではないし、芝居にあっていたと思う。 役者さんは、映像系の演技。みんなうまい。 ちゃんと練習して、作り込んでるなぁというかんじ。あんまり練習してなさそうな舞台だったり、全員集まれる日がほとんどなかったのでは?みたいな敬意をもてない作品もあるが、この舞台は、そういうのとは一線を画している。 もしくは、最初からみんなめちゃくちゃうまいか。 キャパ100の劇場で一番後ろまで届かせられる方向性の演技ではなかった。これはキャパに合わせてるんだろうし、キャパ100になればそれにあった演技ができるんだろうと思う。 こまかい話になるが、役者が会話を続けているところで暗転になっていくっていうシーンがあって、その暗転に合わせて役者さんがセリフのボリュームをフェードアウトするとことか「おぉーっ」てなったね。 こういうのチームとして、演劇のセンスがあるんだろうと思う。そして練習も必要だ。こういうのをみてもしっかり練習しているんだろうなぁと敬意を感じる。 リビングの一室。父親が死に、3人姉弟が集まって遺産相続について話す。というストーリー。 結婚している姉が、浮気してたりとか、なくなった父親の世話をだれが一番したか的なプロットもありつつ、それを掘りさげて盛り上げるというより、ひとつの風景としてさらりと扱う程度に。 最後に父の遺言が出てきて、遺産はすべて末妹にって書いてあり、それで決まりそうだったけど、遺書が出てくる前の3人の話通りに3等分するところで話は終わる。 「散る、散る、満ちる」 リビングの一室に、カップルが座っている。 (舞台は「遺産相続」と同じ。役者は先ほどの役者が衣装替えして。) かなり痛いかんじのラブラブカップル。で、二人は貧乏な家育ちなんだけど、見栄っ張りなところがある。ゴルフやったことないのに、ゴルフにいったとか、安い化粧品しか使ったことないのに、ブランド物予約したとか、そんなかんじの見栄っ張り。 そしたら、このカップルの元カレ、元カノがでてくる。二人は病気や事故でなくなっていて、天使っぽい衣装で登場。二人の会話にツッコミを入れたりしつつ、カップルの様子を見守るというはなし*。 (実は、元カレ、元カノは、このバカップルに殺された!とかいう展開か!それは面白そうだぞ!!って思ったけど、違いました。) で、演劇的には直接の成果ではないんだけど、女性の天使(主人公の元カノ)の突っ込みっぷりが、芸の粋に達していて、私はめちゃくちゃ笑ってしまった。 見栄っ張りの彼氏「いやー、おれって野球やってたじゃん」 女性の天使「おめー補欠だっただろ!」 そんなツッコミがマシンガンのようにどんどんなされて、かなり面白かった。 あのリズムとか、間とかは、どうやったんだろ。ある程度、脚本の指定はあると思うけども、アドリブ的なかんじがとても強かった。 稽古すると腐るし、稽古なしであそこまで流暢に突っ込み続けるのもまたすごい。 あと、バカップルの彼女の方は「遺産相続」では、場末のスナックのホステスみたいなやさぐれ感のベクトルだったのに、ステレオタイプのバカップルの彼女をしっかり演じていて、それは器用さがあるからやれることだけど、そのギャップが個人的にはおもしろかった。 「七万円」 主人公の男性が、10年ぶりくらいに電話で話した友人に、なけなしのお金を貸してしまう。周囲は、だまされてるからやめなってみたいなテンションだけど、主人公はまた彼にお金を貸すだろうみたいなことが示唆されるところで終演 。 金を借りる方の男性が電話で窮状を話すところの演技がじつに自然。で、流れ的にもつっかえるところもない。ここのリアリティはこの作品中で、重要なところ。ここが成立しないと、作品が成立しない。これは、脚本の言葉の選び方の技術と、役者の演技の処理だと思う。 ーーー 3本の脚本それぞれにひねりが効いていて楽しめる作品。だけど、安易にハッピーエンドにはいかないというか。人間てちょっと不合理な選択をしちゃったりするよね、でもそれが人間だよねみたいな視点が何かしら入っている。人間の不条理な部分と向き合って、それを伝わる形で表現しようとしているところに、志の高さを感じた。 正直なことをいうと、プロダクション系人材の作品で、3本立てとかだったのであまり期待してなかったし、とくに脚本にはまったく期待してなかった。 しかし、いい意味で裏切られた。 もし、このクオリティと含蓄で80分とかの長編がかけるなら、戯曲賞の最終選考には残って然るべきレベルなんじゃないかと思う。それを志向しているのかはわからんけど。
by sailitium
| 2023-08-02 12:23
| 観劇して|感想・批評
|
Trackback
|
Comments(2)
|
ファン申請 |
||