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福岡・九州地域演劇祭
プロフィール たかさきの簡単プロフィールです。 PINstage たかさきの舞台芸術関係の活動の屋号です。 FPAP 福岡の演劇等舞台芸術を支援するNPO法人です。最近のメインはほとんどココです。 九州地域演劇協議会 九州内の6つの地域演劇支援団体により設立。 FPAP職員の日々之精進 FPAP常勤職員がおくる赤裸々日報。 制作者は語る(fringe) 全国の制作者による注目のブログです。 昨日 今日 トータル ![]() にほんブログ村 スパム対策でトラックバックには、送信元記事にこのブログへのリンクが必要になっています。どうかご了承ください 最新のコメント
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2022年 12月 21日
山笠キックボーダーズ見てきた。4,900円 130分。 この規模の公演はすごい。地元の人を中心にして、色んな人を巻き込んでここまでの規模にしたのはすごいと思う。 死が迫るアイドルの娘のために、冬に山笠を病院までかついでいくという話。作品の器かなりでかい。最後のシーンは素晴らしい。すごい。 個人的には、最後のシーンが演劇的に良かったから、見てよかったと思うんだけど、脚本や演出を中心にアラが多すぎた。4,900円の芝居なら、器もそれなりにあり、初見じゃほぼきづかないくらいに粗は潰してほしい、、、、 まぁ、でもとにかくこの規模の公演をやったのはほんとにすごいことだ。 (以下、アラの部分を中心に書いていくので、閲覧注意です(個々の役者の演技の評価的なことはほとんど書いていません。脚本、演出、テクニカル中心です)。疑義などあれば、コメントでお願いします。SNSとかには書くときは、コメントにお知らせください。ってことでよろしければ、続きをご覧ください) ◯ 始まって5分で、山笠観覧中の主人公(カスミ?)の母が、交通事故で死ぬという展開。 なんだ、そりゃ、、、って感じ こういう安易にドラマを作るような設定は、芸術点が低く評価されて、現代演劇の作品性としては評価されにくい。 それ以上に、個人的に苦手な設定。ただ、演劇は大きな嘘を1回ついて良いことになっている。そんな無理筋な設定を置いても、それ以上の演劇的成果を出せば帳消しになる。 次に事実として、 ・山笠は、交通規制もしていて、警察も出ていて、暴走族が事故るような余地はないのではないか、、 ・追い山ならしだったとおもうけど、あれは午前5時とかの開催。早朝に暴走族が出るかなぁ? ・バイクが突っ込んだと思うのだけど、事故った時のSEは、完全に乗用車だよね、、、 ってあたりは、スタートのところだから、丁寧にやらないといけないところ。かなりの失点と感じた。 ◯ アクティング・エリアが、劇場の床そのまま、 黒パンチも引いてたけど 客席→床→黒パンチ→床(舞台エリア)となっていて、客席、舞台のエリアが不明瞭な感じ。 (それがダメな理由 https://sakuteki.exblog.jp/26568032/) ◯ 役者の演技の方向性が、かなり違う。 ここまで演技の方向性がバラバラな芝居は見たことがい。 ほとんど声が出てないような人もいたし、うるさいくらいでかい人もいたし、身振り手振りのしようも人によって違う感じ。 この辺は、サッカーの監督と選手みたいな感じで、巨視的にみれない役者にはほんとうにわからないんだよね。サッカーの監督あるいはクラシックの指揮者のように、演出が調整しないと。商業演劇は、このへんはちゃんと整えてくる。 ◯ 3,4人セリフの聞き取りにくい人がいた。 他にも明らかに技量の劣る役者がごく少数見受けられた。このクラスの企画で残念なことだ。起用せざるを得ない事情はあったのだろう。ココは役者の責任じゃなくて、キャスティングの責任。 ◯ 上手、下手のではけ口が、会場の扉そのままだった、、、 あれは、ひどい、、、 中洲の広場で話している人が、キックボードでその場を離れ見送るみんな。みたいなシーンがあるんだけど、その人、西鉄ホールの扉の向こうにキックボードで行っちゃった人になってた、、、 役者は足音を立てないとか、ではけのときに袖幕に触らないとか、舞台の上は異空間なんだけども、そのお客さんがかかってくれている魔法を冷めさせないためのノウハウがある。 始まって30分位 ◯ 登場人物が、5チームくらいに分けられると思うんだけど、最初の30分位は、各チームごとのエピソード展開。チーム間のつながりが見えなかったのと、ストーリーの収束方向が見えなかったので、これは(作品として成立させるのは、、)厳しいんじゃないか、、、という予感 5チームくらいは以下の通り ・主人公(カスミ)と、母親、父親(山笠の人) ・ローカルアイドルグループ(グループ名称:バッシュ) ・そのマネージャー(大谷)と、婚約者 ・キックボード製作する会社|社長 社員3人 ゲンパチ ・ラジオパーソナリティ 2名(うち1名は大谷の婚約者) ・風俗で働いている人 ・レゲェ的な感じの人 ◯ その後、主人公ががんが全身転移して、もう長くないみたいな設定、、、 さすがに、その設定はないだろう、、、、 ストーリーをドラマティックにするための安易な設定投入に思える。これで2つ目、、、 ◯ そしたら、クリスマスに山笠を担ぐという方向性が示された。ストーリーの収束の方向性は見えたので、一安心。 事実として、山笠のリアルの人が見たらそれをどう思うのかはわからない。「へぇ、面白い」と言ってくれるかもしれないし、鼻で笑われるか、マジギレされる可能性の方が大きいんじゃないか。知らんけど。 ◯ 福岡の描き方と言うか見方というのが、個人的には違和感があった。 いま天神はビルの建て替えとかが進んでいるけど、それに対して大半の市民はこれと言った感慨は持ってないんじゃないかな?「発展していく福岡の中でなにかできることをやりたい」的な心性の人って、ごくごく少数じゃないかなぁ。知らんけど。まぁ、そこは芝居のキーになってるわけじゃないけど、根底にはあったと思う。 地名もぽつぽつでたりしていたけど、地名とその地名が与える印象というのについて、個人的には違和感だった。 山笠を持ち上げて「やりたいと思った人が誰でも参加できる素晴らしい文化」的な持ち上げ方していたけど、大半の福岡市民は、山笠にそんなに関心ないよね、、、 どんたくもそうだけど、あの規模のまつりでも、福岡くらいの都市規模になったら、関心がない人が大半ってかんじじゃないかなぁ。 西鉄電車へのあこがれみたいなものを持っている人もいるのかなぁ、、、 いるかもしれないけど、ごく少数で、福岡の人の多くの心を捉える設定とは思えないんだよね、、、 ◯ 「あれ? この人とこの人、知り合いだったっけ?」みたいな展開が2,3度。一応、それなりに集中してみていたんだが、、、ちゃんと説明があったのかなぁ。 ◯ 偶然知り合いだったり、川で叫んでいるところにたまたま関係者が居合わせたりして、5チームの関係性ができてくる。しかし、出会い方に偶然要素を多用していて、そんな福岡の町は狭くないし、偶然多すぎでは、、、と思う。 (一応、演劇ではそういう都合のいい感じの偶然が連発すると、リアリティが失われるとして、通常は忌避される) ◯ 結局、レゲェの人はどういう関係性の人なのか、わからなかった。この人が、いろんなところに突っ込んでいって、関係性を築いていく感じの役の人だったと思うけど、基本的な立ち位置がわからなかった。誰かの友達だった? ◯ 主人公が高校生の時に、主人公の父と喧嘩するシーンがあるんだけど、アレがどういうことがきっかけでなんで喧嘩しているのかわからなかった。なんかいきなり喧嘩始まった感。ある程度のリアリティのあるドラマ的な説明がなかったような気がする。 (それがなくて、いきなりだと、ご都合主義的な評価になってしまう、、、) ◯ ソープランドで働いている女性が出てくる。最初は自宅っぽいところ?真っ赤なスリップ1枚って衣装だったと思うが、これはちょっとステレオタイプ過ぎないか、、、あと、酔っぱらっていることが多いというのも。 ◯ 尺(作品時間の長さ)に対して、熱い想いをぶちまける役どころが多いから、設定を積み重ねていくという演劇の大切なところを飛ばして、いきなり、「私を見下してるんでしょ!」とかいう濃厚なセリフがいきなり出てくるんだけど、背景が見えないから、感情移入しにくいんだよね、、、 ◯ アイドルグループのメンバーが大喧嘩するシーンがあるんだけど、あれはなんで喧嘩しているのかよくわからなかった。 ・なんか、アイドルグループは解散する方向性にあるようだ。 ・どうやら、主人公カスミは、このグループの元メンバーで、病気により卒業したっぽい。 ・カスミは、卒業後?匿名でSNSやっててけっこう有名な人だったらしい。その投稿に影響を受けた人が、出演者の中に複数いるという設定。 (ということを、私が理解できた時間帯だったと思う) 90分位したところで ◯ キックボード製作する会社で働いているワケあり的なぶっきらぼうな男(ゲンパチ)がいて(実はこの人が、昔暴走族で、主人公の母親を死に至らしめたという隠し設定)、この人が、レゲェの人をボコボコにするシーンがある。15発くらいはマジでいってたと思う。 あんだけ殴ったら、歯も折れるし、鼻も折れるし、口の中はぐちゃぐちゃだし、顔も腫れ上がって月単位の入院は必要だと思う。そもそも、怒っていたとしても、作品上の要請としてあそこまで殴る必要がないよね。必要以上の暴力シーンで、ドラマの強弱をつけるというのは、安易だなと思うし、その手法はリスペクトできない。 それで、事実関係としては、あそこまでやったら、絶対に警察に捕まる。被害者は病院にいってるしね。病院は、警察への通報義務がある。リアリティがないところはいろいろあったけど、そのうちのひとつ。 そしたらレゲェの人は、実は大したことなかったです。みたいなかんじで出てきた。あんだけ、ボコボコにされて、そんなのありえないだろ、、、って思った。そいで、なんか足をやられたのか、松葉杖で出てきた。足は打撃されてなかったと思うのだが、、、 あの松葉杖は、けが人=松葉づえ的なよくないかんじのステレオタイプに見えましたね、、、 ◯ スピーカーの数だと思うけど、いろいろSEが不自然だったなぁ。予算の話もあると思うけど、予算の制約の中で、露骨な穴をつくらないようにしたいよね。まぁ、理想論だけど。 でも、この規模の公演ならクリアしてほしいなぁ、、、。あと、キックボード製作する会社の出入りには、扉を開けるSEがあるんだけど、あれいるのかなぁ、、 同じ、役者が肉声でやっているところと、ピンマイクでやっているところがあって、あれは、違和感があったよね。セリフが聞こえてくる位相が、変な感じでもあるし、声質も変な感じでもある。どうやってクリアすれば良いのかわからないけど。 ◯ それで、とにかくゲリラ的に山笠を出して、中洲から天神北?にある病院まで、いくことになる。大きな問題となる途中の交通規制をみんなで頑張ってなんとかするって話になったが、、、 そんなの、不可能だろう、、、 10分でパトカーに囲まれますよ、、、 そんな無茶過ぎる計画なんだけれども、なぜか、周囲の人もリスクを忘れそれを実現するために全力で協力して頑張るわけだけども、、、 普通、絶対、協力しないよね、、、、 まず確実に失敗するし、確実に犯罪で捕まるし、、、、 そして、これが重要なところだが、そこまでやる動機もよくわからない、、、、(主人公の父親は除きますけど) 山笠動かそうと思ったら、控えめに見ても20人以上は必要で、軽量化されたと仮定しても10人位はいるわけで、自分の娘のためにやる父親は良いとして、それ以外の担ぎ手は協力しないよね、、、、 ここは作品のキーとなるところだったけど、もっともリアリティがないところ。これは作品のリアリティを大きく落としていた部分。 (脚本・演出上の創意工夫の数々を丁寧に積み重ねて、こういうありえない展開を違和感なく成立させていたら、脚本として優れているとされます。) でも、しょうがない。 わかった!そういう設定ね!わかった!そこは目をつぶってみるよ!! っていう、感じで見ることになる。 ◯ とりあえず山笠作戦は発動して、出だしは順調。 中洲の橋に、猫の餌をまいて猫を集めて、橋を封鎖したエピソードがっ言葉で説明される。面白いけどいるかなぁ、、、中盤くらいで、風俗の人が「中洲に橋何本あるか知ってる?18本よ」って、ぶっ込んでくる台詞があるんだけど、その回収がこれっていうのは、ちょっと、、、、 作戦は順調だったが、中洲で暴力団っぽい人に阻止されて、山笠の人たちや協力者は暴力を受ける。 そこに、ゲンパチが特攻服を来て登場。暴力団の人をやっつけて、作戦は継続する。 (母親を事故で殺したことはここで吐露される。) 最後に、アイドルグループは解散ライブを、天神のど真ん中の交差点のところでゲリラ的にやって、山笠の最終経路を確保する(だよね?)って流れだった。 出だしの曲は、主人公カスミの作詞作曲した曲だった。これは、伏線ほぼなしだったと思うけど、こういうのは丹念にその前のところを描いてほしい、、、 舞台上のシモテには、バンドエリアがあって、キックボード製作会社の社員3名が、生演奏。アイドルグループはラストライブ、進んでいく山笠(車輪付きのでかい山台)。これらが交錯するラストシーンがあって、これは感動的だった。これをやりたかったんだなぁと納得。ここはブラボーでしたね。 ◯ これも、けっこうなところだけど、キックボードが脚本上はあんまり効いてなかったんだよね、、、 最後のシーンで、山笠を囲む協力者が、キックボードで追跡するっていう絵は、効いてたと思う。この絵があって、逆算でいろいろな設定が出てきたのだろうと思う。 けど、事実関係で言うと、今回の山笠の移動距離は、1,2kmくらいだよね、、、あと、山笠って重いので、移動速度は早くないんだよね(本番は30分で5km移動する)。ゲリラタイムは時間的には、10-15分位のことであって、キックボードで追跡する必要は、ほぼほぼないんじゃないかと思う。 でも、絵づくりとしては効いていたと思います。 ◯ 関わったそれぞれの人が、粉骨砕身して頑張ったと思う。その努力はレスペクトする(手抜きしてた人とかいないと思うけど、もし、この公演に十分に注力しなかった人がいるとするなら、そういう人はあんまり良くない)。 その個々の努力している人達に対するリスペクトと、出来上がった作品に対するリスペクトはわけて考えたい。 ◯ 終了後の客席からの拍手は結構な拍手。 12時公演終わって、2時間後の16時公演見に来ますか?って、コールに対して30人位は挙手リスポンスだったと思う。客層だなぁ。 しかし、それにしてもこの規模の公演はすごい。地元の人を中心にして、色んな人を巻き込んでここまでの規模にしたのはすごいと思う
by sailitium
| 2022-12-21 12:45
| 観劇して|感想・批評
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