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福岡・九州地域演劇祭
プロフィール たかさきの簡単プロフィールです。 PINstage たかさきの舞台芸術関係の活動の屋号です。 FPAP 福岡の演劇等舞台芸術を支援するNPO法人です。最近のメインはほとんどココです。 九州地域演劇協議会 九州内の6つの地域演劇支援団体により設立。 FPAP職員の日々之精進 FPAP常勤職員がおくる赤裸々日報。 制作者は語る(fringe) 全国の制作者による注目のブログです。 昨日 今日 トータル スパム対策でトラックバックには、送信元記事にこのブログへのリンクが必要になっています。どうかご了承ください 最新のコメント
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2018年 04月 02日
![]() 全体的な感想としては、とても素晴らしかった。福岡県で地元のカンパニーの芝居で2年に1本でるかどうかの名作だと思った。 他都市公演に耐えるクオリティは優にある。東京も含めた国内の小劇場の公演で最高水準にある舞台だったと思う。 ただ、監禁を題材にしていたことや、せまい空間にもかかわらず役者の演技が強めだったこともあるので、合う合わないはあると思う。 ---- 新潟拉致監禁事件から多くの要素を持ってきているストーリー。 約1年半前の劇作家協会の新人戯曲賞で、最終選考に同事件を扱った作品があった*。それは、ほぼ同事件の要素を踏襲してたと記憶しているのだけど、『さよなら、サンカク』は、創作の部分も少なくない。 (*このときに同事件のことはいろいろ調べたので、芝居を見ながら、これはもってきているなとか、これは違うなとか言うことはうっすらわかった) ストーリーは、中学生の時に拉致されて、5年の監禁を経て自宅に帰ってきた女性というところからはじまる。 (ちなみに新潟は9年、埼玉は2年。舞台の設定は北九州) 和室を模した3m四方の部屋。 舞台転換はない。 その装置に、女性の自宅・監禁されていた部屋・監禁した家族の部屋を巧みな演出で表現する。 女性の自宅にいる人、監禁されている部屋にいる人が、同時に舞台に出てたりするのだが、これが演劇的に実にうまくいっていたと思う。 脚本もいい。 全体としては、生命礼賛がテーマになっていて、監禁から脱した後の主人公の最後の叫びなどは、多くのお客さんの心を動かしただろうと思う。 監禁者、被監禁者、それぞれの家族などの背景や内面をしっかりと描いている。 ストーリー展開も計算されていて、ちょっと引っかからせておいてから情報を出していく構造が多用されていて、集中を失わずについていける。 キーワードや小道具をモチーフとした使い方もうまくて、演劇的な成果を上げている。 演劇的なアイディアがいろいろ盛り込まれていて、それがどうでもいい軽いパンチとかじゃなくて、有効打が続く。作品全体としても、違和感や矛盾なくあれだけの要素を盛り込んでいるのは本当にすごい。 (この人、医者っぽいカッコだよね。カウンセリングを受けながら、当時のことを思い出してもらって、トラウマを軽減する療法をやっているという設定と、当時実際に起こっていることを見せるってことの同時進行だね、、、、とか。階段装置とか、△のマドとか、etc。ちなみに笑えるようなところはほぼない。) 役者の演技もいい。福岡の実力派でスキなく固められている。 福岡の小劇場だと、やっぱちょっと下手な人が混じっちゃうのはよくあることなんだけども、それがなかった。 これは演出の方向性の問題になるけども、演技の方向性が熱演過多だったかもしれない。冷泉荘の狭い空間では、暑苦しさが否めない。 音響の効果も特徴的だった。 アメリカン・ポップスっていうんだろうか、1970年代の曲がよく使われていた。その選曲が重苦しい雰囲気をポップなかんじに偏位できてたし、おそらく曲の意味合い的にも作品につながっているものがあるんだろうと思う。 ※音楽には詳しくなくて、曲名とかちっともわかりません。一緒に見に行った人に聞いたらスラスラ教えてくれました。すげぇ。ちなみに曲名は書きませんけどね。 装置も、舞台床面を持ち上げていて、縦の見切れで最善の仕事をしていたと思う。タッパの低い冷泉荘で出来る限りの努力をしていたかんじ。 ウォールラックをつかった装置も作品の世界観に寄り添っていた。 照明は、けっこう攻め気味。 心情やシーンを、照明の色で説明する効果多々。 音と照明は、やや攻めすぎたかんじがあるが、方向性の範囲かなと思う。 衣装は、 普段着衣装を中心に。大きな工夫があったわけではないが、日付変更による衣装替えをやっていた。全体としては作品にフィットし必要十分なかんじである。 冷泉荘でテクニカルがここまで仕事を盛り込んできたのは、ずいぶん久しぶりに見た。 ストーリーは、その後、女の子が監禁される経緯、監禁中の生活、自宅に戻っての日々などを、平行的に描いていく。 そして、監禁を脱する所、自宅での生活に光明をみるところで作品は終わる。 バチバチ拍手しちゃったよ。 これは、なんらかの戯曲賞をとるなってかんじがする。 少なくとも、最終候補には残ると思う。それほどのクオリティ・技術・魂を備えた作品だった。 ※「上演台本」だと評価が下がっちゃうから、ちょっと修正して「戯曲」にする作業は必要。 実際に監禁された人が、この作品を診てどう思うかはわからない。が、そういう人からの視点についても一定の配慮はある作品だろうと思う。 ここ10年位で見た福岡のカンパニーの芝居で、ベスト5に入る芝居だったな、、、 いいもん、みた、、、 ■
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by sailitium
| 2018-04-02 12:32
| 観劇して|感想・批評
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