演劇の音響や照明を上げ下げするタイミング（きっかけ）｜初級編（暗転・カーテンコール）

　プロの人とか、プロクラスの人は恥ずかしいから読まないでください。

　演劇の音響や照明を上げ下げするタイミングには、2つのタイミングがある。
１．変え始めるタイミング
２．どれくらいの時間で変え終えるのか
　の２つだ。

「１．変え始めるタイミング」のことを、きっかけと言うはずだ。
「２．どれくらいの時間で変え終えるのか」これを切り分けてなんというのかが、わからない*。

「２．どれくらいの時間で変えるのか」これを一瞬でやると、カットイン、カットアウト、カットクロスだ。

　2,3秒以上の時間をかけて変え終えるような場合、フェードイン、フェードアウト、フェードクロスだ。
（スネークは省略）

　フェードの場合も、最初にガッ！とかえて、あとはゆっくり変えるような場合と、じわーと変えていって途中からガツンと変える場合は、雰囲気が変わってくる。

　それで、この
「１．変え始めるタイミング」
「２．どれくらいの時間で変え終えるのか」
　なんだけど、


１　シーンの変化に合わせる
２　登場人物の心理に合わせる
３　お客さんの心理に合わせる

の３つが主にあるように思える。


たとえば、大音量の音がかかっている中、主役が我を忘れて熱弁している。そこに誰かがヒョイと入ってくる。主役は忘我の状況から、入ってきた人の会話を通して、徐々に我に返っていく。

　みたいなシーンがあるとき。

１　シーンの変化に合わせる

　そこに誰かが入ってきた瞬間に、音響をカットアウトする。

２　登場人物の心理に合わせる

　主役が徐々に我に返っていくその返り方のテンションに合わせてフェードアウトする。

　センスのいいオペレーターなら、なんもいわなくても一発でやるんだけど、最初からセンスが良いという人はなかなかいない。初心者の場合は、これをそれぞれ試してみて、演出家にどれが一番気持ちいいか、見てもらうといい。
きっかけ会議の時とかに、つめておくと尚いいかもしれない。



　あと、暗転時の処理だけど。
　暗転の時に、お客さんの集中を途切れさせないように、暗転中に音を流したりする。これをブリッジという。「橋」ね。シーンとシーンのつなぎみたいなとこからだろう。

　この曲は前のシーンの曲をそのまま使うこともあれば、暗転開始と同時に流し始めることもあるだろう。

　それで、暗転から明転に入るところなんだけど。
　これは一般に、以下の流れでやるのをよく見える。

場転終わる　→　音響落ち始める　→　程よく落ちたところで照明はいる　→　照明が入りきった時には音響も消えている。

たまに、

場転終わる　→　音響落ち始める　→　音響落ちきる　→　暗転音無の時間数秒　→　照明入り始める。

　というのをみるが、これは一気にテンションが落ちる。多分、音響とか照明とかの見え方聞こえ方のことまで行き届いてないんだろうと思う。


　それと、芝居が終わって、カーテンコール、カーテンコールから暗転して客電のあたりの音と照明の運用もこだわってほしい。
　ここで、妙な間にされると、焼肉食べ終わってすぐガム食べちゃったみたいに余韻をささっと消してしまう。



*フェードタイムとか？　フェードタイムもっと長く〜とか、フェードタイム「0」の場合は、そこはカットで〜とか？いうのか。
ここを切り分けた専門用語がないとしたら、初心者のためにはあったほうがいいなぁ。一回、これがなかなか伝わらない、現場を見たことがある。
「きっかけをもっと早くしてほしんです〜」と指示が入って、タイミングのことなのか尺のことなのかが伝わってないみたいなの。

あっ、そうか尺って言えばいいのか

そこのきっかけのタイミング、もっと早く　とか

そこのきっかけの尺、もっと短く。とか。

公演時間教えて下さい。っていって、尺が知りたいのに、開始時間を教えられるのと同じ現象だ。