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福岡・九州地域演劇祭
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2012年 07月 15日
ペッツ「うずうず」1,000円、55分。
オムニバス風。とある会社を舞台に、20代から50代の6(?)役くらいを二人の女優がやりこなす。 くすぐり的ネタも、適宜盛り込まれ。小難しいこともない。 55分を通しての一貫した、ストーリーやドラマをねらっているかんじではない。 でも、二人のアラフォー女優が、えらびとった題材を並べてみると、「都市に生きる独身アラフォー女性*」の悲喜こもごもともいえない、よくあるであろう日常というか現実というか、そういうものが浮き彫りになっていたように思えた。 おそらく、そこに作者の狙いはないだろうが、無意識の選択が、それを浮き彫りにしたように見えた。 変に悲劇的でもなく、変に楽観的でもなく、五分の一くらいに希釈した諦観と希望。同じように希釈した人生と向きあってのしたたかさと軽やかさ。 結果として、そういうったものが描かれていた。 そういうドラマ性のない「普通」さは、なんらかの表現の対象としてはなかなかフォーカスを浴びないだろう。 肩に力が入った感じで社会問題を扱い、上っ面を撫でただけであったり、テーマの重さを持て余した作品をみることがあるが、そういう作為性とは無縁なところに位置するのも、すがすがしい。 肩こりに悩まされていたり、お酒を飲みに行ったり、ちょっとした冒険をしたり、カラオケにいったり、社内の個性的な人を話題にしたり、ちょっとだけ自分や生活の現実をみつめてみたり。 オチのない多世代的なOL進化論とでもいうか。それでも50代の女性を想定して、無意識に自分たちの将来をうっすらとみているような 三人姉妹のラスト「働かなくては、働かなくてはねぇ」を思い出した。重い背景を積み重ねて積み重ねて最後にこのセリフに至る三人姉妹とは対局に。 話は変わるけど、感情のトレースと再現は役者のもっとも重要な技術だと思うが、この二人はその曲線の滑らかさは、ほんとうにすごいね。 *二人のプライベートな状況には、知らないものとします。素敵な男性という要素はほぼなく、かわいい子供という要素はなかった。
by sailitium
| 2012-07-15 15:57
| 観劇して|感想・批評
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