アーツカウンシルの報告書案は、こんな風に対処しろ（締切り明後日）

アーツカウンシル検討委の報告書案はひどい・・・
なぜなら、全内容の99％が特定の地域のことに割かれ、それ以外の地域について1％しか触れられていない。

現在、関東地方の団体を中心として採択されている助成制度を、関東地方だけ見て、より精緻にしていくという点でいい内容で、関東だけで見ると、現在の採択結果が複数年で見れば、合格点（70点）になっていると仮定しよう。
この70点をいかに80点、90点にするか、という報告書だと思う。

しかし、国内的に見ると、現在の助成制度には50点しかつけられない。
それは、関東以外の地域の状況にほとんど配慮がなく、日本国舞台芸術シーンの重要課題である中央一極集中の緩和にほとんど資するところがないからでだ。
（50点の内訳｜関東配点50点中35点、関東以外配点50点中15点。関東とそれ以外の地域の配点を同じにするのは、関東有利に配慮した）

中央一極集中の緩和が、日本国舞台芸術シーンの最重要課題である。
特に「芸術文化振興基金助成事業」は、趣旨からしても、上記の課題への成果を上げられるようにするべきである。

なぜ、関東の団体に助成が集中するのか、その理由は多々あるが、その対策としてもっとも効果が大きい方法は、審査に関わるメンバーの地域比率を見直すことである。
本報告書案も、関東在住の委員の比率が多いため、結果的に関東の抱える課題にばかり特化した内容となっている。
これはfringeブログ
アーツカウンシル検討委員は、特定地域の偏向が過ぎる
http://fringe.jp/blog/archives/2011/02/01204930.html
で書いたとおりだ。

これは委員の能力への疑義ではない。やはり国内の第一人者と呼ぶべき人が名を連ねている。これは人間の限界とでもいうべきであり、それについて上述のブログで書いたとおりだ。

アーツカウンシル検討委もそうだが、芸術文化振興基金の助成も審査員の地域バランスの悪さが見られる。この特効薬は、メンバーの地域バランスを適切なものにすることだ。
これ一発で解決に近づく。
旅費等の問題は発生するが、何十億の資源配分をするときに、旅費なんか、もう誤差の範囲くらいにしかならない。

それで、この報告書案にどう対処するべきかということだが、ちょうど今、この報告書案への意見を募集している。締切りは６月８日（水）だ。
ここは、この見識については、高く評価する。


で、意見はとりあえず送る。以下のような内容で。

ＰＤ・ＰＯが特定地域に偏ると、その特定地域に重点的に資源配分がなされます。

ＰＤ・ＰＯ選出においては、地域バランスに配慮し、特定地域在住の人材に偏らないようにする。

の一文を加えることを強く希望します。

で、意見は何通でも送れる。
とりあえずは、試しのひとつだけでもいいので、なんらか意見を送ってほしい。
締め切りはあさってなので、もう、今日の夜にでもおくって良いと思う。

意見が百通よせられるとして、一通で一千万くらい予算配分が変わってくると思っていいかもしれない。

（上記提案のように送るかどうかは、各位の信念に基づいて判断してください。あと、できれば、腑に落ちる自分の言葉で）