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福岡・九州地域演劇祭
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2017年 07月 19日
ゼロソー「ピッチドロップ」をみた。
震災で頭部一つになってしまったけども なぜか 生きている教授の奥さんという設定はすごいと思った。台のようなところに鎮座している頭部は、当然身動きできない。という絵。 けど、やっぱ頭部だけってみていて生理的に気持ちいいものではなくて、なかなか直視できなかった。それは、自分だけかもしれないけど。 それと、その設定が、演劇的にうまくいっている感じがしなかった。 頭部だけといってもどうしても肩が動いたりするのがわかる。頭部だけという設定に対しての疑問が無意識に出てくる。それと、前に人が立ったりしたときに、声が聞こえなくなるのも演劇的にはデメリットだ。 この役者さんは、かなり難易度の高いことをやっている。すごいと思った。 この作品が、どういうところにお客さんをつれていってくれようとしているのかが、自分の読解力では追いつかなかった。 一つは障害を持った人のことなのかなと思った。 頭部一つだけになって、でも生きている。 それで、これまで出来ていたことができなくなってしまって、でも、できることに目を向けて行こうみたいなところでいろいろエピソードが語られる。 人生の途上で障害を持った人の障害を受け入れるまでの心理変化の段階というのがあって、これはけっこう研究されている。
そこを書いていこうとしているのかと思った。 これが、実際にありそうな障害という設定だったら、個人的には入ってくるんだけど、頭部一つだけという設定がありえない設定なので、たとえばこの状況で何ができるかといった、いろいろな仮定を語られても、ちょっと入ってこなかったというのがあった。 頭部だけになった自分が、もう子供を作ることができないとか、自分の性的な欲求がどうなるかわからないみたいな話もあった。ここはリアリズム的だけども、なかなか入ってこなかった。 頭部一つだけになって、なぜ生きているのかわからない。食べたものがどうなるかもわからないみたいなやりとりもあったのだけど、こういう話になると、首一つになっていることを与件として受け容れられにくくなるんじゃないかと思う。 そういうもんということで、そこに対する疑問は舞台にはのせずに、押し通してみたらどうなのかなとか思った。 主人公(頭部だけになってしまった人)の妹がやってきて、二人で会話するシーンがいろいろあるのだけども、こういう状況になったとして、そんな風に会話するだろうかというところも 主に感情の動きの部分で いろいろひっかかった。 まぁでもそれは、自分の思い込みにすぎないかもしれないけども。 (今、思えば、不条理劇的に作っている部分だったのかも、、、) 二つ目には、大地震を経験した人の地震に対する心理 これは、やはり大震災を経験したこととか、そのあとの余震も経験している方の作品だけに、それらのエピソードにはとてもリアリティがあったし、響いてくるものがあった。 揺れが来る前に地響きみたいなのがあってそれが怖いとか、天井が落ちてくることが怖い、現在の高層住宅では天井が落ちるということは床が抜けるということで、、、 あたりのエピソードも、確かに考えたことがなかった。 しかし、それらの部分にそんなに時間を割いたわけではなく、他のエピソードとも同列にあるくらいの重点の置き方で、そこに作品の主力な部分があるという感じではなかった。 地震への恨みつらみとか、天災を前にしての人間の無力感とかは、十分題材になるかと思うけども、そこはやりたかったことではないみたいだった。 三つ目には、そんな混乱状況での人間の心理というか生理 頭部だけになった女性が話すには、余震が来るたびに、夫である教授が自分を守ろうとして、自分に覆いかぶさったりするのだけども、そのときに夫の股間が固くなっていて、、、 みたいな話があった。 これは、もしそれに近いようなことがあったなら、十分に題材になりうることだなと思う。 頭部だけになっているというのがありえない設定なので、自分には入ってこなかったんだけど、今考えると、この場合の生首っていうのは、骨壷のことなのかとも思える。 余震が来るたびに、骨壷をかばう夫。でも、興奮しているのか生理的なものなのかはわからないけども、そんなふうになったということなのだろうか。 でも、ここもそんなに掘り下げられている感じではなかったように思う。ここもやりたかったことではなかったのかもしれない。 そもそも、この作品がストーリー/ドラマ的な成功を狙ってなくて、散文的な構成を意図して書いたということなのかもしれない。 そうなると、とっかかりがなくなるので、感じるように見てくれという話にはなる。それも、演劇のあり方の一つだから、それで受け取れなかったら、運が悪かったと諦めるしかない。 この作品が、なにを表現しようとしているのかということをうまくつかめなかったので、上に書いたことは、個人的な一感想ということになってしまう。 ほんとは、そこを理解した上で、感想ではなくて批評を書きたいのだけれども。自分の力が及んでいないってだけの話だ。 とある方が「コメディタッチの不条理劇」ってツイートしてあって、これは、なるほど〜〜、そうか〜〜っ、て気になった。 不条理劇になっていたかというと、リアリズム的な展開が多かったせいか、不条理的な浮遊状態から、地面に足をつけさせられるようなところがいろいろあって、不条理劇にはなってなかったと思う。 けど、一貫して不条理劇としてつくってもらえたら、天災の存在がそもそもの不条理だし、頭部一つになってでも生きているってことが、天災であらゆるものを失った人たちの象徴になりえそうだ。し、それでも前向きに生きていこうとする人間たちの象徴みたいなことになったのかもしれない。 研究室の一室ということで、舞台は比較的落ち着いているのと、主人公以外の人たちが、けっこう健康的だったので、多くの困っている人がいる中でそれを象徴する存在と自分が個人的に受け止められなかったのかもしれない。 まぁ、でもこれは、それをやりたかったのかどうかはわからないから、自分の好き嫌いでしかないとも思う。 それと、ピッチドロップという何年かに1度、滴を落とすという事象。これが、タイトルにもなっているし、研究室はその研究をしているみたいなんだけど。このタイトルが作品としっかり絡んでいたかというと、よくわからなかった。 体調が不良な状態で見たせいで、十分に集中することができてなくて、いろいろ見落としていることがあると思う。わからないと書いていることの大半は、自分の読解力が追いついてないのだろうと思う。 でも、なんかトータルで考えると、リアリズム的に作っているところと、不条理的に作っているところが、うまく融合してないのではないかということかもしれない。 日を置いて、いろいろ考えてみると、以下のような所なのかなと思った。 30年とか50年に一回やってくる地震(ピッチドロップは10年とかだけど)それは、地球の大きさからみれば、しずくの一滴にしか過ぎない。けども、その一滴が大きな災害をもたらす。そんな中であらゆる苦難を象徴的に背負ってそれでも明るく生きるってことを描こうとしたのかなと思う。 そうしたら、頭部だけの主人公は、キリスト様か仏様みたいな存在に近くなるけども、あそこにああやって鎮座している主人公は、ほんとに仏壇の仏様のようだ。 自分にはそれを見て取れなかったけども、これらがつながってそのように見て取れたなら、まさに乾坤一擲の作品だったなと思う。 /
by sailitium
| 2017-07-19 12:20
| 観劇して|感想・批評
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