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福岡・九州地域演劇祭
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2017年 07月 17日
劇団ヒロシ軍「誰かのための立ち位置」、楽しく見た。
29歳の童貞くんが、それをなんとかしたいといろいろもがいてみるという話。この童貞君には天使の格好をしたスタンドが付いていて、主人公は天使を「果実」と呼ぶ。 この本の中では、童貞という意味で「もぎたての果実」あるいは「果実」という言葉が使われる。20回くらいはあったと思う。 それで、その天使コスの果実がいうには、30歳までにそれをなんとかしないと俺はお前を殺す。なんとかすれば俺は消える。みたいな設定。 それで、主人公は男友達と一緒に、1500人が参加する街コンにでかけるという流れ。 芝居は全部で75分くらい。 主人公がこれまで付き合いそうになった女性の遍歴が繰り広げられる。これで65分くらいまでいったと思う。 その女性は四人。1)おさななじみの女の子、2)路上ライブしていたときの相方、3)劇団活動していた時の劇団員、4)ビデオ屋でバイトしてた時の店長。 これが20歳から29歳くらいまでの、つきあいそうになった女性で、だいたい同年代人。 主人公と果実以外の役は、本来の役以外にもいろいろな役をやる。その役はみなさん個性的というかかなり癖の強いキャラクターをそれぞれ演じる。 この出演者たちが新劇的な演技がちゃんとできるのかどうかはよくわからないけど、みんな芸達者で、演じるキャラクターもなんか変な魅力があってそれぞれに面白い。 それに負けず劣らずで、主人公を演じる荒木氏が魅力ある演技を見せて面白い。好演といっていいと思う。 全体的にはコント的な芝居の流れ、人がどんどん入れ替わって、シーンもバシバシ変わって進む。テンポよし。 作品の中には、本編と関係ない小ネタも多々。ペットボトル2本一気飲みするとかね。 あと、しゃべることができない障害を持っている人が、DVDを借りに来るんだけど、しゃべれないからゼスチャーで借りたいDVDを説明する。けど、主人公は全くそのDVDをあてることができない。が、店長はあっさりと当てちゃうとかね。 (しかし、ゼスチャーでDVDを指定するってことは、ジェス子は、そのDVDを一回は見たことがあるってことなんじゃないか?まったく見たことのないDVD借りられないよね。とか、心の中で突っ込んだ。けど、ジェス子が5秒くらいのゼスチャーして、ドヤ顔するのが面白かったから、それでいいのだ。そんなひどいゼスチャーで伝わるわけないのに、伝わったことを100%疑ってないところ) で、そんなこんなで、1500人集まる合コン会場についた。 そしたらなんと、その会場に、主人公がこれまで付き合いそうになった四人の女性が来ているではないか。な、な、な、な〜〜んと。 ここで、一緒に合コンに行った友達からの衝撃の告白。じつはその友達は、「もぎたての果実」じゃなかったのだ。 友人を罵倒し、激しく落ち込む主人公(とは、いえ作品の雰囲気はコントっぽいので、こういうところもおもしろおかしくやる) で、ここで、お客さんが投票して、その後のストーリーを決めるという展開になる。 観客が、4色のサイリュームのうちの一本を選んで、それをふって投票するみたいな流れ。 それまで、役者として演技していた主人公がそのままお客さんに普通に依頼するんだけど、これは演技としてみるとかなり難しい演技だ。雰囲気を壊すような違和感は最小にして、そこにもっていった技量はかなりすごいなと思った。 観客投票とくじ引きによって、四人のうちの誰か×ハッピーエンドからバッドエンドで全8通りのエンディングがあることになる で、投票結果を受けて、四人のうちの一人にアタックして、終幕という流れ。ここが5分くらいかな。 芝居を見終わった後の感想としては、公演としては成功しているが、演劇作品としては失敗してるなというもの。 失敗してるなと思った理由は2つ。 まずひとつは、観客投票制にしたということ。 75分なりの作品があるとして、それがどのように終わるのかというのは大切だ。前半中盤の60分はそのゴールのために費やされる。残りの15分はどれでもいいという結論ではなくて、必然性のある結論でないといけない。 四人のうちの一人に告白するという時に、その一人は、他の三人ではダメでその人でないといけないという必然性がないといけない。これを投票に委ねちゃったということは、必然性のある一人への告白じゃなかったということになってしまう。ほぼ。 選ばれなかった三人とのエピソードについても、意味があまりなかったみたいなことにもなってしまう。 あと、観客投票制と言っても4択なわけだから、票が拮抗していると仮定するならば3/4のお客さんの期待は、偶発的な要素によって裏切ってしまうことになる。 (けど、観客投票はそれをやりたかったんだろうし、結構お客さんも楽しんでいたと思うので、公演(イベント)としては成功していると思える) もう一つは。 最後の5分くらいのアタックシーンが薄っぺらい。 自分が見たのは、路上ライブしていたときの相方へのアタック。 「久しぶり、、」みたいな話から始まって、その元相方に向けて、昔聞かせることができなかった歌を聴かせる主人公。しかし、なぜか。なぜか、ドン引きになる元相方。「そんなのおまえじゃねーよ、いったいどうしちまったんだ」みたいなことをいって立ち去る。 これは、自分が説明を省略しているとかではなくて、ほんとにこれくらいの掛け合いだったんだよね。 薄っぺらいという言葉は、ちょっと良くないけども、これまで積み重ねてきたものに対して、あまりにも軽すぎる。 というあたり。 とはいえ、全体としては楽しく見て楽しんだ。 しかし2日経って振り返ってみると、演劇作品としては失敗してるなというのは修正したくなった。惜しかったと修正しよう。 冒頭の天使コスしてる「果実」とのやりとりで、「俺がもぎたての果実ではなくなってしまうことで大切な何かを失うような気もする」的なセリフがあった。 という流れは、なんか、夏目漱石の「こころ」のK的なものがある。 でも、それぞれの要素は軽く書かれていたり、コント風になっていたり、なにより観客投票で、その流れをリセットしちゃったようなこともあり、この流れをしっかり作れていたとは思えない。けど、その流れは伏流水のように確かにあった。 知り合いの劇作家の人に、この芝居のストーリーや構成を話していて、大切なところの説明を省略してしまった。全編コント的な印象を与えてしまったと思う。その人は三島由紀夫を読むといいんじゃないと言っていたけど、自分もその時はその通りだなと思った。 (おまけ) あと、公演タイトルの「誰かのための立ち位置」。これは、振り返ってみると効いてないというか、作品にあってない感じがするね。 誰にアタックするのかというところを、投票で決められて、その立ち位置に立ってやりますぜ、この作品全体が道化みたいなもんですよ。みたいな解釈は通らなくはなさそうだけど、無理筋か。 アンケートにチケット代2500円-3000円を高いと思うかどうかというアンケートがあった。これは、比較対象によりそうだ。 北九州や福岡の小劇場系のチケット料金は高騰化してるから、その意味では、ほかの小劇場の公演と比べれば、やや高いけども標準的かなと思う。 でも、映画とかと比べると、べらぼうに高い。 北九州や福岡の小劇場系の演劇シーンは、多分平均動員が120人くらいになってるんじゃないかな。この公演も200人前後だろうと思う。そのエリアの相場で考えるならば、高いとは思わない。 そうじゃないなら、やっぱり高い。 (参考) 動員が500人を超える前に、チケット料金が2000円を超えると、その劇団の動員はもうそれ以上は伸びなくなるという法則 http://sakuteki.exblog.jp/24803264/ それと、これまでこのカンパニーの短編は何本か見てきたけど、長編を見るのは初めてで、長編は果たしてどうなのか、、、という関心を持って見に行った。本作では、15分のオムニバスが4本続いて、さいごに誰か一人にアタックという感じだったので、短編を組み合わせた感じはある。この関心については、次回以降に持ち越しかな。
by sailitium
| 2017-07-17 13:14
| 観劇して|感想・批評
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