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福岡・九州地域演劇祭
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2017年 02月 06日
リーディングだと「わが腹」を見ての感想って言い難いね。聞いての感想としてみました。 このリーディングは脚本のブラッシュアップを目的とした月1リーディングで拝聴した。これはすばらしい企画なのでぜひ定期的に継続してほしい。この企画では、観客からもいろいろ感想を言うことができる。 私は戯曲に対し以下のような「いいところ」を挙げた。 1)女性の社会進出、働きやすい社会と言われているが、子供が熱を出して休んだら誰かがフォローしないといけないわけで、そういう現実への描写がしっかりとあって、そういう現実に向き合っている 2)一人の女性が妊娠し流産するという個人の話を中心にしながら、今の社会が抱える課題を社会の問題として描けている。波子の腹の痛みは妊娠に伴う個人の痛みであると同時に、今の社会が抱えている少子化や育児といった問題の痛みであろうし、「様子を見ましょう」としか言わない医者は、問題の存在を認識しながら有効な対策を打たない今の社会と読める。この辺が矛盾少なく成立していた。 ちなみに作者が意図している部分かどうかは、戯曲を評価する段においてあまり関係ない。 演劇に限らないが、だいたい優れた芸術作品というのは、作者が意図してないけども社会的な有用性をもってしまって、広がってしまうものだ。 十分に読みうるかどうかが、その尺度だ。 リズ・ラーマン方式にのっかっての討議なので、発言には一定のルールがある。 自分に課した質問数も大幅に超えてしまった。3回も発言してしまった。多分、参加者の中では一番多かったはずだ。 3回発言した人1人、2回発言した人5人、1回発言した人20人とかだったと思う。 これは、恥ずかしいことだ。_| ̄|○ 本来、2回くらいがあるべき姿だったと思う。 しかし、3回も発言したので、楽しい気分で帰宅の途についた。だいたいワタシは言いたいことを言えれば、だいたい満足なのだ。 バスで飲んだビールが久々に美味しかった。 それで、さすがにさすがに、作品全体の感想は言えなかったのでここで書く。 作者から会場への質問賭して以下のものがあった 1)結局主人公は流産したのだが、流産したという事実は伝わったか? 2)「男」が、主人公が宿した子供であることは伝わったか? 3)(リーディングしてくれた役者への質問)自分の脚本は、ト書きの制約が多く不自由だといわれるのだがどうか? という3つの質問だ。 この質問に重要なポイントがあるとは思えなかった。1)2)は芝居を見慣れているか、どうかで大分変わるから客層をどう考えるかという話しだと思う。昨日のお客さんは基本的にはマニアよりだと思うから、この反応を一般のお客さんには期待できないだろうと思う。 この作品の初演の時に、なにがなんだかわからないというアンケートが多くて、そのことを気にしているらしい。 3)も、とある役者に「脚本が不自由だ」と言われたらしく、そのことを気にしていたらしい。 脚本かくときに、役者のやりやすさとかはあんまり考えなくていいんじゃないか?演出のときに調整すればいい話しで。 この脚本が何をやりたいのかというのは質問があったからわかるのだが、あまり重要じゃない所で周囲の目を気にし過ぎなんじゃないかという気がした。脚本の表面的な所よりも、コアな部分が伝わったかどうかを気にした方がいいんじゃないかと思う。 それで全体的な感想で言うと、作品の強度、演劇的エンターテイメント性はちょっと弱いなと思った。作品のテーマの社会性はあるなと思った。 作者の方が言うには ◯職場で、子供がいる女性の欠勤等を支えているのは、結局子供がいない同年代の女性 ◯流産を経験している女性は多いが、それはあまり表に出てきていない。ちょっとしたきっかけでそれは出てくる とのことだった。 この、気付きは、私は今の社会的に意義にあることだと思うし、そこにフォーカスすればこの脚本はもっと強度を増すと思った。 具体的には、そういうエピソードをもっと盛り込むようにする。 それは作者がやりたいことなのかどうかはわからないけども。 また演劇的エンターテイメント性というか、この作品の構成の変更を最小限にして、社会的に受けいられるようにするならば、これを夫婦のドラマにすることが手っ取り早い。というか選択肢の一つとしてあげられる。 作品では、はっきりと書かれていなかったが、おそらく以下のような流れがあったと思う。 夫婦は上手く行っていない → 子供ができてないことにも関係があるかもしれない → 夫は単身赴任 → 自分も転勤する夫についていってよかったが、なんとなく断った → 仕事を理由にしたがそんな大した仕事でもなかった → 妊娠したことも夫に言ってなかった →(いろいろ葛藤あり) → 流産したが夫は自分を心配して帰ってきた → 夫も自分もいろいろ振り返るところがあった → 夫婦の中で一筋の光明が見える → 仕事をやめて夫についていく。 この部分をトータルで15分位加筆すれば良いんじゃないかと思う。そうすれば夫婦ドラマとして成立するし、うまくいってない夫婦やカップルには伝わるものがあるだろう。 スタートとゴールは今の脚本と一緒だ。今の脚本の構造を改変することなくエピソードを付け足すことで対応できる。この流れを取れば一本スジの通ったドラマは成立して観客の満足度は上がる。 ただし、作者がやりたいことと合っているかどうかはわからない。 それと、「今、再演を考えなくていいんじゃないか。今、書き直すと、今日出た意見への対応になってしまって、それは宿題になってしまって、楽しくない。5年くらい寝かせては?」という意見があった。 これは、まったくその通りだなと思った。 会場の空気としても、再演前提みたいな空気の中での発言だったらから、勇気あるいい発言だなと思った。 でも、昨日寝ているときに、別の考えも降ってきた。 ※私は寝ているときにいきなり考えが降ってくることがあります。 この人がプロを目指すのかどうかはわからないけど、プロの作家ともなれば、脚本への修正を求められることもあるわけで、それを誠実に遂行できるというのも必要な能力であると言えなくもない。 この人がプロを目指すのかどうかはわからないけど、その稽古という意味では、今、やってみてもいいのかもしれない。 あっ上杉謙信のくだりは、なくていいかと思います。これといった意図もなかったようだし。
by sailitium
| 2017-02-06 12:44
| 観劇して|感想・批評
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Comments(1)
Commented
by
sailitium at 2017-02-14 17:55
(追記)
表面的なアンケートの意見を気にしてもしょうがないんじゃないかなぁ。 芝居を見慣れている人なら、前半に「男」がベットによじ登るところでそれは察しがつく。そんなのは客層による。ポイントは芝居を見慣れてない人にもそのへんのメタファーがはっきり伝わるように作りたいのかどうかという作者の意思だ。 「見慣れた人なら全員に伝わり、見慣れてない人にも半分くらいは伝わるようにしたいんですけど、だとしたらこのくらいの説明でいいでしょうか?」って質問しないと。 客層に左右されない強度のある芝居を作りたいなら、それが伝わるか伝わらないかは問題ではない。そのメタファーが伝わろうが伝わらなかろうが、作品として伝わるような強度のある作品を作ればいいのだ。 あと、上杉謙信のくだり。 自分が見るところ、「男」が「役が欲しい」と言い出して、上杉謙信が出てきたところで、芝居は一気に崩れた。あっ、この人わかってないなと個人的に感じた。 優しくオブラードに包んだ言い方をして、感じ取れる人だけが成長できるみたいなのっていったいどうなんだろう。はっきりいた方がいいんじゃないか。空気を読む能力が高くない人がますます不利になってしまう。
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