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福岡・九州地域演劇祭
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2016年 06月 26日
弦巻楽団「四月になれば彼女は彼は」をみた。60分。
岸田國士の「紙風船」の試演会に向けてを稽古する男女。あーでもないこーでもないと練習している。そこに劇団の恋愛関係が仄見える台詞があり、芝居の最後に和解を感じさせるセリフが一つ入る。 そして、紙風船の最終の一連のセリフが入り終幕。という流れ。 椅子二脚と机。あとは小道具5,6点。ほぼ素舞台。衣装にもこれといった仕事はない。音響は最初と終幕部分に入る程度。照明は派手ではないけど、ブルーやアンバーで全体を染めることによりシーンの印象をひっぱるような明かりづくりが5,6度。基本的には簡素なテクニカルワーク。 役者の演技上手い。ほのかな個性を見せつつも癖はない。 高速で動き発語するシーンで求められている速度では、動きや発語が乱れていたが、かなり高速動いてしゃべっていたので、それも無理は無い。地域の役者の平均的な水準ははっきりと超えている。 演出のしごとは演技構成が中心のように見えたが、その他に、女性の肉体美にフォーカスしたシーンがあり、その部分を印象的にみせることに成功していたと思う。 こうみせたいという意図はおそらく反映していたし、隙も見えずクオリティは低くない。 稽古における棒読みのような発語は、平素からああいう練習をしているのかどうかは不明だけども、棒読みだからこそ観客の想像を程よく引き出していたように思うし、稽古時間の劇団員としての会話との落差がうまく機能していたように思う。 完成度が低い作品とは思えなかったが、では、作品としてどういう魅力があるのかと問われると、ここは立ち止まって考えてしまう。 まず、「どういった人にこの作品を見てもらい?」と自分が聞かれたら、どう考えるか。 やはりこれは、戯曲「紙風船」を知ってないと面白く無いと思う。紙風船を知らない人でもわかるっていい方はあるだろうけど、役者がしゃべっていることには一応はついていけるというレベルではそうかもしれない。だけど、紙風船を知っているもっといえば、紙風船に取り組んだことがあるという人じゃないと、最低限のところは受け取れないんじゃないか? 本編の紙風船は、若い夫婦の倦怠期を水彩画のような淡い写し取り方でみせる脚本。本作では、脚本上の人間関係に、劇団の人間関係をかぶせてきているから、紙風船の構造がわかって、はじめて演出意図の主たる部分が伝わってくるという構造だと思う。 玄人にはいいかもしれないが、年間20本くらいみてます。という人にはどうかなと思う。本作は、若手演出家コンクールのために作られた作品なので、そう考えれば、この作品作りの方向性は、技ありなんだと思う。 ※紙風船という脚本は、短編で登場人物が2人と少なく、解釈の余白が程よく残り、著作権が切れていて、90年前の戯曲だけども本質部分は現代にも通じ、人間がうまく描かれている作品なので、こういう演出コンクールの題材として、とてもよく使われる。 個人的にも、その構造はなるほどな、と思った。 だけども、自分には作為性がややあざとく感じられた。紙風船の稽古をしながら、それをやっている役者がそれと似たような男女の人間関係のうまくいかなさに巻き込まれていて、最後にそれが解決するみたいな展開はありえないでしょ。と。 これが、虚構性の強い脚本なら、そういうことでもありだと思うし、馴染むだろうと思う。だけど、紙風船はそういう虚構性を排した感じの脚本の作りなんだ。水彩画の上に、油絵で塗っちゃったような感じはする。この比喩はいいすぎだけども、なんかちょっとそんなかんじがある。 そういう違和感を感じることも含めて、紙風船という戯曲を知っていたから感じることではある。自分は違和感を感じたけども、自分が審査員なら好き嫌いを排して、悪い点はつけない。 しかし、普通の人が作品としてみて面白いかと言われると、そんなにおもしろくないんじゃないかと思う。紙風船の脚本を読んだほうがおもしろいんじゃないかと思う。 個人的には、その入れ子構造と、女性の肉体美のフォーカスにつながりがあるというか、伏線回収の構造になっているというか、この両者の採用に必然性が感じられたら、大拍手だった。 岸田國士「紙風船」に取り組んだことがある人にはかなりオススメ。そうじゃない人は絶対読んでから見に行ったほうがいいと思う。15分位で読める。 青空文庫 紙風船 http://goo.gl/vRxHBV その後、アフタートーク。バスの時間があるから、途中までしか聞けなかったけど、質問タイムに入ったので、主要なところは聞けたかな。 そのバスを逃すと次は1時間後だったからね。途中で退席しちゃって申し訳なかった。 トークは、ゲストの「僕は、紙風船(という作品)が大好きで」から始まった。普通に考えると、客層として紙風船を知っている人を想定していたのかなと思う。 けど、自分ならどうするかな。紙風船を知らない人がいるという想定で、30秒位で紙風船の概略を説明して、演出家がこの脚本をどう読み取って、どういう味付けをしたのか、、みたいな展開でもっていくかな。 もともとの脚本はこういう構造、これを稽古するという現場を想定して、そこにリアルでの人間関係を入れる入れ子構造を取り入れた。という言葉は引き出したい。 ただ、やっぱ盛りが少ないのは気になるんだよね、、、やはり小品という印象は、覆らなかったというか、、、 対バン形式のコンクールは、 演出家として手足を縛られているようなもので、これで競えと言われてもなかなか力は出せないよね、、、限られた一部分だけでの勝負になるよね、、、 その中で、ここまでやったことはやはりスゴイ。 ・
by sailitium
| 2016-06-26 17:00
| 観劇して|感想・批評
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