記事ランキング
検索
リンク
福岡・九州地域演劇祭
プロフィール たかさきの簡単プロフィールです。 PINstage たかさきの舞台芸術関係の活動の屋号です。 FPAP 福岡の演劇等舞台芸術を支援するNPO法人です。最近のメインはほとんどココです。 九州地域演劇協議会 九州内の6つの地域演劇支援団体により設立。 FPAP職員の日々之精進 FPAP常勤職員がおくる赤裸々日報。 制作者は語る(fringe) 全国の制作者による注目のブログです。 昨日 今日 トータル にほんブログ村 スパム対策でトラックバックには、送信元記事にこのブログへのリンクが必要になっています。どうかご了承ください 最新のコメント
最新のトラックバック
カテゴリ
全体 ●コメント前に FKRT 制作的なこと(演劇) 広報・宣伝、具体的な制作のアイディア チケット料金、動員 福岡・九州・地域の状況 観劇して|感想・批評 --------- トークの司会、企画の作り方 作劇のこと・テクニカルのこと 戯曲WS・戯曲のこと #復路のない旅 演出家、演出WS・セミナーのこと 制作者のこと 劇評・批評について 事務的な仕事をする上で 役者/演技のこと 劇場のこと 稽古場について 演劇祭について 芸術文化環境、一極集中、道州制 10年前なにがおこっていたか 釜山・韓国のこと 沖縄のこと ●企画 制作講座・勉強会 福岡・九州地域演劇祭 九州演劇人サミット ブラッシュ 大学演劇部合同公演 TAM 観劇ディスカッション DDシアター リンクP PmP パネルトーク 火曜劇場 東京物語 ステージスタッフWS LRT アゴラインターンシップ 環境の演劇WS ネットセミナー Meets! 2007(札幌福岡) 鐘下さん カラフル 世界劇場会議 一人芝居フェスティバル 指定管理者のこと FPAPのこと かげながら ●その他 Mac、PC、スマホとか 食べる、飲む、外食する ダイエット・運動 本を読んで 小ネタ、近況 さくてきな視点で(非演劇) 商品とか企画のネタ(非演劇) テレビドラマ・映画 #新型コロナ 腰痛 ライフログ
ブログジャンル
|
2015年 12月 31日
大阪に行く機会があったので、匿名劇壇「プレゼントタイム・ハローグッバイ」をみた。
初、HEPHALL。 (おまけ)「HEP HALLにいくルートわかりにくい」 >> 100分。楽しめた。 素舞台に、ジャングルジムみたいに材木で組み上げられた格子群。 それらは動かせるようになっており、場面転換では見せ店の中役者が動かすことで、いろいろなものにかわる 学校、ジャングルジム、病院にそれらは姿を変える。 劇団twitterより 役者の演技の方向性は、なんて言うのかな、、、、、 自然派脱力系とでもいおうかな。男優は何人か声をはる感じの新劇的な演技。女優はほぼ自然派脱力系。ちょい透明感もあるというか。 少数の男優さんを除けば、そんな上手いという感じではない。(けど、この脱力さが、作品世界にマッチしてる。後述。) 作品を一言で言うとすると、なんだろうな、、、セカイ系学園恋愛ドラマって感じかな。はっきりとした主役がいるわけではない群像劇に分類していいだろう。 進撃の巨人というか、ベルリンの壁のような設定のある世界観。核戦争か何か覚えてないけど、壁を作って自分たちの世界を外部から遮断した。みたいな設定。 その設定をじわじわと明示的に明らかにしていくところは、この作品の構造の特徴の一つ。 早い段階では「あれって壁だよね?」「果てじゃなくて?」みたいな台詞がある。 役者は全員高校生で、高校の制服。 壁の向こうとこちらが、パラレルワールドになっていて、役者は壁の向こうの人物とこちら側の人物を演じる。 壁の向こうではAという役を演じるが、壁の此方側ではA'の役を演じる。 時間の多くを占めるのは、学園恋愛ドラマ。 「キスしたことあるのかよ」とか、ライトな恋愛のプロット多数。カップルが5組くらいいたと思う。 時に、恋愛とは何だみたいな議論も。犯罪的な話にもなってくることがあるが基本はライトな恋愛のネタ。ネタ数にして10以上はあったと思う。けどそれが、脱力的な演技もあって、見ていて恥ずかしくはない。 小ネタ的なライトな一芸レベルのギャグもちょいちょい。クスリとさせるレベルのこのギャグはけっこう自分の好みで、面白かった。こういうのがちょこちょこと効くと、舞台への集中度もやはり上がる。 そんなやり取りを通じながら、お互いに壁の向こうを意識していく。 壁の向こうからたまにやってくる飛行機は、こちらを攻撃するためのものではなく、こちらに許しを請うための物資の援助であったとか、壁越しに手紙やSNSで交流が始まったりとか。 ラストシーンでは、装置が壁を作る。 その壁越しに、通じない言語でコミュニケーションする二人。手紙やSNSではなく、初めての肉声での会話。 その壁は越えることが出来ないという設定なのだけど、壁の向こうにいた役者がこちらに現れ、パラレルワールドの両方の役を演じる。 AとB’が会話していたかと思うと、次の瞬間、Aの役者が壁のこちらに来てA’として今度は壁の向うにいる役者と会話するのだ。 パラレルワールドで一人の役者が壁の双方の役をやったりとか、壁の向こうが見える格子群の装置であったりとかの仕掛けが、ここで見事に炸裂する。カタルシスのあるシーンだった。 で、お約束ではあるけど、最後に、カップルが一組新たにできちゃうという終わり方。 それで、感想というより解説みたいになっちゃってるけど。 このカンパニーの芝居を見るのが初めてなのと、今回は作風が変わったということなので、方向性的なところはよくわからないけども。 恋愛、コミュニケーション、断絶社会と3つのテーマがあるように思えたのだけど、これらをがっつりと掘り下げているという感じではなかった。これを中途半端というか、バランスが取れているというのかは、人によって違うだろう。 たとえば、個人的にはあの壁はベルリンの壁を想起したくなるんだけども、扱われ方としてはそんなにリアリティはない。 この3つの要素が掘り下げられて、かつ有機的にテーマレベルでの融合をしていたら日本演劇史的な名作なのだろうけど、表面上のストーリーを成立させるためにしか機能していなかったように個人的には思えた(それは通常の演劇公演として、満足できるレベルで十分に成立していたと思う)。 ギャグや恋愛小ネタをメインにしたいのか、大文字の社会と向き合いたいのか。その辺がはっきりしないという意味では中途半端とも言える。しかし、それらの題材をライトに扱いながらエンターテイメントとして成立するドラマを作っているのもまた事実だと思う。 この辺は、好みの問題になっちゃうけど、後者を指向しているのかな、、、という印象だ。
by sailitium
| 2015-12-31 15:49
| 観劇して|感想・批評
|
Trackback
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||