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福岡・九州地域演劇祭
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2015年 04月 27日
客席に入った時、まっさきに「おっ、ブレヒト幕!」って思った。
四方囲み舞台。 中央に7m☓4.5mの舞台。高さ60cmくらい。 上から見たら長方形。 その舞台の対角線に、2筋はられていたので、厳密にはブレヒト幕とは言わないかもしれない。 芝居の見た目は、おおさっぱ〜にいうとこんな構成 プロットA・・・記憶のない少女と、青年 プロットB・・・写真週刊誌の風景 プロットC・・・(略) (もうちょっとあったかも) 記憶とか、いじめとか、過去の殺人事件とか、情報の捏造がテーマになっている。 でも、具体的な事例を検証するというよりは、それらの事例を再構築したり、要素をピックアップして並べることで、あるテーマに迫るもしくは作家の世界観を提示するという構造だったと思う。 各プロットは、具体的な背景から離れつづけてたプロットが多かったので、受け取れるか受け取れないかの度合いが増しているように思えた。 ラストシーンの演出のハマり具合は、なかなか見事なものがあった。 (めんたいぴりりの山笠というと盛り過ぎだけど、まぁあんな感じの) 装置、照明、音響、衣装といった要素を駆使し、巧みに組み合わせてスペクタクルをつくっている。装置・照明・衣装はいずれも工夫があり、労力が費やされている。 こういう頭だけではなく四肢を使った演出(造語、文末に解説)という点で言えば、そういう方向性の芝居に取り組んでいる芝居がそもそも多くないとはいえ、九州で屈指の演出力になるのではないか。ここ10年位でみた九州の劇団の公演で、ここまできているのは思い出せない。 しかも、オリジナル作品は2作目のはずだ。まったく素晴らしい。 照明がキレイだったけど、こういう感じの芝居にしたいので、ああいう装置にして、ああいう衣装にして、それで照明家には腕をふるってもらうという枠組みは、演出の仕事だから、基本演出の勝利だと思う。もちろん、照明良かった。 作品の完成度だけで言えば、前見た時のほうが良かった気がするけど、今度の作品のほうが器の大きい舞台に挑戦している。 劇場も大きくなったし、照明・装置・衣装・マスゲームもボリュームを増している。それらのテクニカル仕事の組み合わせによる効果も、前見た時よりも大きくなっている。 器を大きくしているから、水(実力)が増しても、完成度が落ちるということはありうる。 これで、前売当日1400円は、いかにもすごい。 全体としては、前見た時からさらに力が付いているし、次回はまだ伸びるなと思わせる内容だった。 ツイートした内容 ーーー そめごころ90分。前見た時こんな感想 http://goo.gl/1JU1Vs だったけど、より筋力をつけている。 頭だけじゃなくて四肢を使った演出(造語)という点では、もう九州でもトップクラスの演出力なんじゃないかと思う。ライトな公演が増えているなか、演劇でしかできない表現をみれてうれしい。 造語の定義→シンプルなリーディングとかは頭だけを使っての演出。 照明・音響・装置・衣装・マスゲームを駆使して、重層的な作表現を作り上げていく演出は、四肢を使った演出。これは、ほぼ演劇じゃないとみられない。 頭だけを使った演出が、良くないことのように思われる比喩だけど、これは比喩がうまくいってないだけで、それで作られる素晴らしい作品もある。 それとは別の話として。 ↓ それとは別の話として。 今回、あれで1400円だから、全然満足なんだけど、これから他地域公演に耐えるクオリティの作品作りを目指していくとして、どのへんが課題になるかみたいなことを、個人的な一意見ということで言うとすれば。 課題を見つけるとすれば、脚本と役者かなという気がする。今回で言えばだけど。 前回は少人数の出演だったから、役者の練度の平均が高かった。さぞや濃密な稽古をしたんだろうと思う。 今回は役者が多かったから、その平均が落ちたように思う(もちろん、多かったことのメリットもある)。 ああいう演技の方向性だと、やっぱ役者は肉連とかやっとかないときれいにみえないんだけど、この点も練度に関係すると思う。 あと、あの白い衣装って、身体のもつ教養がすらっとでるね。 日舞とかバレエとかで、身体の教養が高い人は、姿勢とか歩き方とか、立ち姿とか美しいんだよね。 見た感じで言うと、新鮮な野菜みたいな。 そうじゃないと、1,2日おいた野菜みたいな。 普通にある衣装で、発語を中心とした演技だと、そういうのはあんまり目立たない。だけど、今回みたいな芝居だと目立つね。自分たちのやりたい芝居の方向性を成立させるための役者の訓練方法を発見していく必要があるのだろう。 (あ〜、だからバレエって白い衣装なのかなぁ。) 今回は、前見た時と比べると、脚本がうまくいってないんじゃないかという気がした。 これは、受け取れるか受け取れないかの話ともかかわってくるので、単に自分が受け取れてないだけで、そんなに自信はない意見だけど。 それぞれのプロットの中の会話に背景*が見えないものが多いから、見る側に集中力が要求される。多分、これで脱落する向きはあったと思う。 *登場人物の関係性とか、場所とか、設定とか、状況とかを指す。 もうちょっと言うと、古典的だけど、張り込みしている二人の刑事という設定が、すっとわかった上で、このふたりがどーでもいい、ぼんやりとしたとりとめのない会話は集中力が途切れること無く聞くことが出来る。一方、この二人の設定や関係性が全くわからない状況で、どこのチームが勝ったとか負けたとかの会話は長くなると厳しい。普通は、5分位の会話で、徐々に関係性がお客さんにも見えてくるみたいな手法で、観客の集中力をつなぎとめる そういう部分で、テーマにも沿いながら、かつ会話としても引き込めるプロットだと、観客も引き込める度合いも上がってくるから、最後のバーーン!!がもっとインパクトをもてる感じがする。 小出しにしていって、最後にそういうことか!そこにつながっていくのか!という各プロットの構成だったと思うけど、前回見た時はそれでも一つ一つのプロットには背景があった(と思う)。今回はそれがなかったから、その違いなんじゃないかなという気がする。 こういう方向性の作品だと、最後にお客さんに見せる絵としては、あんまり具体的でもよくないし、抽象的すぎても空気の濃度が薄くてお客さんの脳内に像を結ばない。そのへんのバランスは難しいところ。 あと、細かいところだけど、開演したら受付の電気は消す、明かりとりの窓はなんかで隠して、客席へ明かりが入るのを防ぎたい。 主役(?)の二人が真ん中で向かい合ってたって、まわりでダンスしているところだけど、全体的には効果的だと思う。部分ではダンスが目立ちすぎて、まんなかの二人の演技を邪魔しているように感じた。 ダンスの途中で、まわりで踊っている人が中腰以下になるあたりからは、かなりきいていたと思う。 最後に、もう一回いうけど、1400でこれだけの芝居をやったら、かなりすごい。
by sailitium
| 2015-04-27 12:00
| 観劇して|感想・批評
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