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福岡・九州地域演劇祭
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2015年 01月 23日
この間オペラの演出家の方のセミナーを聞きにいって、とても面白く、興味深かった。
オペラは1、2度見ただけで、これから先もそんなに見に行かないと思うけども。演劇に近い所から、演出を切り取った話が聞きたかったのです。 いろいろおもしろい話があったけど、ひとつあげると日本のキャストとヨーロッパのキャスト*の台本に対する信仰がまるで違うっていうのがおもしろかった。 (*その演出家の人が接したヨーロッパのキャストとご理解ください) ヨーロッパのキャストは脚本に忠実。 日本のキャストは、「自分だったらこんな風には言えない」みたいなことをいうことが時折ある。ヨーロッパでは絶対にない。とのこと。 日本人は発言された言葉(書かれたセリフ)に本音がないことがよくあると思っている。 一方、書かれたものに対する信仰、書かれたものは絶対に正しいという信仰がヨーロッパにはあるようだ。とのことだった。 日本で言えば、平田オリザさんは、人は悲しい時に靴下のにおいをかぐことだってあると言うし、岩松了さんも、言葉を信用し過ぎている(人はそんな本音は言わない)ということをよくおっしゃる。 この対比がすごくおもしろかった。 しかし、だとすれば、人間としてわかりあえる部分はないんじゃないかというくらいの、対比ぶりだ。 日本人は、本音と建前を使い分けるという欧米からの批評があるということも有名な話だ。 我々が、「人間を描く」「人間関係を描く」という時に、この欧米との差はとても大きくて、「日本人を描く」「日本人の人間関係を描く」という言い方くらいしか出来ないんじゃないかとも思った。 日本の脚本で、人間の機微に触れて感動を与えるような作品があったとしても、欧米の人が見たら、ちんぷんかんぷんってこともあろう。 (俳句がそうだ) とはいえ、日本人作家で、ノーベル賞を取ったり、ノーベル賞クラスの小説家というのもいるわけで、この日本人的な感覚がまったく欧米に伝わらないというわけでもないだろう。
by sailitium
| 2015-01-23 13:40
| 制作的なこと(演劇)
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